わ碁ころ幼稚園

うまくいかなかったあとに、「もう一回」が残っている

負けた直後に「もういっかい」と言えるかどうかは、その子の性格だけで決まるものではなさそうです。負けたあとに何が残されていたか、という側から考えてみます。

負けた直後の「もういっかい」

ゲームで負ける。かけっこで最後になる。作っていたものが途中で壊れる。

そのあとの反応は、その日によって違います。すぐに「もういっかい」と言う日があります。黙って部屋を出ていく日があります。泣く日も、怒る日もあります。

同じ子でも違います。前の日によく眠れたか、その前に何回うまくいっていたか、そばに誰がいるか、そのとき見ていた人がどんな顔をしていたか。いろいろなことが重なっています。

だから「もう一回できる子」と「できない子」に分けるのは、たぶん正確ではありません。分けられるとしたら、子どものほうではなく、そのときの場のほうです。

もう一回やれる状態が、そこに残されていたかどうか。

「非認知能力」という言葉が呼ばれる場所

やり抜く力や、気持ちを立て直す力を「非認知能力」という言葉でまとめて説明することがあります。近ごろよく見かける言葉です。

この言葉には、便利なところと、扱いにくいところがあります。便利なのは、テストで測れないものにも名前がつくことです。扱いにくいのは、名前がつくと測りたくなり、測ると子どもを分類したくなることです。

わ碁ころ幼稚園では、能力の名前で子どもを説明しません。かわりに、うまくいかなかったあとに何が残っていたかを見ます。

「育ちの芽」は、うまくいかない姿の中にもある

失敗や困りごとに見える姿の中にもあり得る、小さな変化や試みを、わ碁ころ幼稚園では「育ちの芽」と呼んでいます。必ず成長するという保証の言葉ではなく、そう見える瞬間があるという言葉です。

泣いたあとに、もう一度盤の前に座る。怒って離れたあとに、遠くからちらちら見ている。「やらない」と言いながら、道具を片づけずに置いておく。

どれも成功ではありませんし、次にうまくいくとも限りません。それでも、そこは「できた!の手前」にあたる時間です。

負けた直後にできること

もう一回が残る場にするには、たとえば次のような方法があります。

  • 負けた直後に、励ましも慰めもしないでみる。数秒だけ、何も足さない時間をつくる。
  • 「次はがんばろう」より前に、「くやしかったね」を置く。順番を入れかえるだけです。
  • やめる選択を、失敗として扱わない。「今日はここまでにする」も一つの決め方です。
  • 勝ち負けのある遊びのあとに、勝ち負けのない時間を少し置く。

そして、大人にも負けた日があります。うまく待てなかった日に、自分を責めなくてよいと思います。やり直せる場所が要るのは、子どもだけではありません。

その子には、もう一回やれる場所が残っていましたか

うまくいかなかった場面を思い出すとき、「その子がどうしたか」ではなく、「そのとき、何が残されていたか」のほうから見てみると、見える景色が少し変わることがあります。

医療、健康、発達、心理、法律その他の専門的な判断を断定しません。子どもの状態を診断したり、保護者の養育や先生の保育を評価したりすることもありません。気がかりなことや安全に関わる心配があるときは、教材だけで解決しようとせず、地域の相談窓口や専門機関にご相談ください。

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