みえないけど、あるもん

── びんの中の月と、千年のうさぎ

ジャムのびんに月をつかまえた男の子。一日じゅう、こまのようにくるくる回っていたのに、「ママ、今日、なんにもしてないね」と言われたお母さん。そして、千年ほど眠りすぎて、幼稚園の植え込みの下で目をさましたうさぎ。月のない夜に、みんなで空を見上げるお話です。

この作品について

その夜、わ碁ころ幼稚園の植え込みの下で、一匹のうさぎが目をさました。

千年ほど、眠りすぎたうさぎである。

もっとも、そのことに気づいた者は、まだ一人もいない。

亀のゴッティ、そうたくん、まきさん、まゆ先生など、『なくさないように――片方の靴下と、千年の亀』の登場人物も出てきます。

章構成

  • 序
  • 第一章 植え込みの雪
  • 第二章 びんの中のお月さま
  • 第三章 なんにもしてない日
  • 第四章 鏡の中のうさぎ
  • 第五章 月のない夜
  • 第六章 ついたち
  • 終章 ほそい月

本文の掲載について

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ゴッティの本当の名、伴須賀雄は、九世紀に実在した碁の名手です。小町は九世紀の歌人ですが、生まれた年や、幼いころのことは分かっていません。一方で、小町が幼いころにうさぎと出会ったこと、唐の鏡が小町のもとにあったこと、ゴッティとのつながりは、この物語の創作です。物語の中の「わ碁ころ幼稚園」と、そこに登場する人々も、この物語のために創作されたものです。